息子の忘れ形見 デンコウアンジュ GI挑戦

磯野牧場は1961年に開業。亮平さんの父、欽之輔さん(68)が、実家の畑など一部を改良して競走馬生産を始めた。
家族経営で繁殖牝馬10頭前後の規模ながら、78年には生産馬のサンエムジョオーが重賞を勝ち、桜花賞、オークスでも２着と活躍。
まだこの地域では、桜花賞のテレビ中継がなかった時代で、「夫婦でラジオを聞いて応援した」と振り返る。
その後、長男の亮平さんも加わり、主に3人で牧場を営んできた。
デンコウも、亮平さんが育てた1頭だ。出産時に母馬のおなかから取り出したのを始め、育成牧場へ送り出すまでの１年半、日々の世話を続けた。
だが、昨年11月28日、亮平さんが自宅で突然胸の痛みを訴えた。急性大動脈乖離を発症し、9日後に亡くなった。
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デンコウのデビューは、亮平さんが亡くなった10か月後。２戦目で初勝利を挙げると、次戦の重賞アルテミスＳでは、後方から豪快に追い込んで鮮やかに差し切り勝ち。非凡な能力を見せつけた。
GI4勝の父、メイショウサムソン産駒では初の重賞制覇となったが、欽之輔さんは「いい脚を長く使える馬」と、父譲りの長所を高く評価する。
阪神JFは、牧場生産馬初のGI制覇が懸かる。欽之輔さんは阪神競馬場に出向いて観戦する。
50年超の牧場経営を振り返りつつ、「この馬がGIを勝ってくれれば、お世話になった人たちへの恩返しになる。亮平も天国から後押ししてくれるはず」と、忘れ形見の愛馬激走に期待している。

読売新聞より

買わないつもりだったが、これ読んだら買うしかないわ…

単勝買うで

家族経営の自営も同じ、胸が詰まる