夏競馬参戦中のエスポジート騎手（イタリア）「日本の暑さは苦にならない。ミラノは湿気が多くてこっちより過ごしにくい」

　元気な声で「オハヨウ」、握手の後に笑顔、最後に必ずウインクを決める。
「暑さは苦にならないね。ミラノは湿気が多くてこっちよりも過ごしにくいぐらいだ」。
そり上げた頭をなで、日本の夏を心底楽しんでいる。
その姿は早くもトレセンに溶け込んできた。

　７月に来日し、福島は６日間で３勝。新潟はここまで４日間で３勝を挙げた。
「日本の競馬場は素晴らしい。ただ、福島より新潟、ビッグトラックの方が僕は好き。
直線競馬もスピード感があっていいね」。サラサラと紙に描き始めたのはコース図。
自らが本拠地とするミラノのサンシーロ競馬場だ。
「こう…、こうかな」。コーナー２つで右回りだが、内回りは１８００メートル、
外回りは２４００メートル。ここに自信の根拠がある。
「新潟の直線が長いのはサンシーロと同じ。我慢して我慢して最後に追う。
僕のスタイルに合ってるよ」。

　好結果を出すために努力を欠かさない。
「デムーロ兄弟、ダリオ（バルジュー）、リスポリ、ピンナはみな友達だし、
日本の騎手もシバタサン、ノリサン、エビナサン…、みんな素晴らしい。
競馬ファンも自分はリスペクトしているよ」。騎乗馬の分析は特徴を
はっきり記憶できるようにレース当日の朝にＶＴＲを見る。
母国語ではない英語も元騎手で通訳の安藤氏に教わり、日々上達している。

　ミトラには調教で２度騎乗し、感触を確かめた。
「能力があるし、ゲートも幼い子のようにいい子。レース当日もあのようだとうれしいね」。
あらためて目標を聞くと、３カ月の免許期間中に「１５勝」だという。
「来年は家族を連れて日本に戻ってきたいんだ」。
ミラノの家族に毎日の電話を欠かさない家族思いの男。
アレクサンドラ夫人と２人の娘、フランチェスカ（１４）、スヴェーバ（２）に
重賞初制覇の報告を届けたい。
http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20140815-1351008.html